院長の本音2 下痢嘔吐症の対処
嘔吐から下痢症状に進む事の多い急性胃腸炎 原因は
①ウイルス感染ノロ、ロタ、アデノウイルスなど 実は特定出来ない(検査法が無い)ウイルスがはるかに多いのですが保育園や学校の担当者に良く理解されていない傾向が強いので毎回説明と理解の労力を強いられます 。
②ウイルスとは別に細菌が原因の感染性胃腸炎 生煮えの鶏肉、焼き鳥、時に汚染された生玉子によるサルモネラ菌の胃腸炎。生焼きの焼き肉によるキャンピロバクタ―菌や病原性(病気を起こす種類の)大腸菌O-157 などがあります 。
これらの診断は便の細菌培養検査をしない限りわかりません。抗生物質を使用しなくても多くは自然治癒するとアナウンスされていますがそんなに単純な話でもないので注意が必要です。検査は抗生物質使用前の便を検査しないと菌が生え(培養され)ないので当院では予め便の検査容器をお渡ししていますが、どこでもそうしている訳ではありませんのでご了解ください。
細菌性胃腸炎の方は一般的に腹痛が強く発熱なども伴うことも多く症状が強い傾向があります。
ここからが本音の核心ですが 最初に嘔吐が続いた時に、食べたり飲んだりしても吐くので全く何も口から取らず絶食にしている事が多いのですが、特に子どもは絶食にすると簡単に低血糖を起こしエネルギーとしての糖が不足し体脂肪が代替エネルギーとして使われアセトン血症(自家中毒と言われたものと同じ)を来たし、アセトンが嘔吐を悪化させる悪循環になって嘔吐が止まらなくなってしまいます。
この時に必要な事は糖の補給なので甘い糖分の飲み物や食べ物を吐いても構わず繰り返し摂取することです。
当院ではブドウ糖粉末を処方していますが、酸味の少ないブドウジュースやリンゴジュース、果物の缶詰シロップや大きい子ではあめ玉などを勧めています。
イオン水は糖分が5%程度で少ないので低血糖改善には役に立たず小さい子どもが低血糖、アセトン血症で消耗している場合が余りにも多いのでここに始めて対処方を公開致します。
必要なのは点滴でも絶食でもなくイオン水でもありません、嘔吐すればするほど糖分の補給なのです。
漢方医学の基本は(本来の)健康を取り戻す 医学です。