高齢者

ガンの原因とその治療はいまだ未解決の現代の医療の大きな命題であるといえます。

死因の第1位であり、高齢化にともない死亡者数は増加しています。早期発見と手術による早期治療、抗がん剤や放射線治療により胃がんや子宮ガンなど治癒する幸運な人もいますが、これらの治療でガンと闘いながら生活をしている人、再発や転移し、長年の治療にもかかわらず半数以上の人が命を落とす人類の難病中の難病の最たる疾患であると言えます。

あらゆる治療、次から次に開発される抗ガン剤。それにもかかわらず命を落とす人が大幅に減少する、それほどの結果はいまだに得られていない。それが現状ではないでしょうか。

 

現代のガン医療をもってしてもなかなか治らない。

ガンの治療を受け闘病生活も長くなるなかで、不安や焦燥の気持ちが募り、その現実と進んだと思われている現代の医学、医療に対しても不満や不信を抱くようになってしまったとしても無理からぬことと思います。

現実はさまざまな治療を求めてガン患者さんが迷い、がん難民という言葉まで生まれたくらいです。

そんな気持ちから、自らもガンを発病した国会議員の先生によってガン対策法が成立した経緯をご存知の方もいらっしゃると思います。

その法律の骨子はガンの医療機関の充実とガン専門医の養成と増員だったと理解しています。確かに多くのガン患者さんの治療経験があり、精密な放射線照射が出来る専門機関は必要でしょう。また新薬をはじめ多くの種類の抗ガン剤の安全で効果的な使用法 に精通しているドクターの存在も大切です。

 

抗がん剤や放射線治療はガン細胞を壊死させ、腫瘍を消滅させようといういわば”攻撃的”な治療です。同時にみずからの正常な細胞の機能、代謝、免疫機能などにも同時にダメージを与えるリスクの高い手法でもあります。細胞を障害する細胞毒で毒をもって毒(ガン)を制するわけですから、副作用を最小限にしながら、ガン組織を壊死させるという高度な匙加減が重要な治療法でなければならないはずです。

ガンが死ぬ前に人間が死んだのでは何にもなりません。治療による免疫低下でちょっとしたカゼでも命取りになりかねません。自分自身を攻撃し免疫力を低下させ、細胞死を招きかねないリスクのある治療に対して、耐えられる体力=免疫力=自己修復機能があるか、それを維持、強化することが、自己防衛として重要なことです。

免疫力や抗酸化力や造血幹細胞再生を維持、強化する薬も医療も無いに等しい現状です。ガンにかぎらず、これだけ免疫学の理論が研究されながら、人間が本来備えている正常な免疫力を維持し病気を防ぎ、免疫でガンその他の病気を治療するという手法と発想に乏しい現代医療に私は疑問を呈さざるを得ません。

多くのドクターに相談しても免疫力という存在を認め、その考え方に同意する人はあまり多くないのではないでしょうか。

私たちのからだの中では毎日、DNAの作り損った間違ったアミノ酸や糖鎖配列のタンパク、糖タンパク質とそれを持つ異常な細胞がつくられていると言われます。正常な免疫システムではそれらの似て非なる細胞をNK細胞、貪食細胞その他一連の感知、異物破壊、排除システムの機能により増殖性の強い自己にとって有害な細胞を破壊してガンに至らずに生きているわけです。

この過程で糖鎖が細胞機能の重要な役割をはたしており、それが正常に機能するために糖鎖の原材料である単糖類、多糖類=糖質栄養素の充分な供給が重要な前提なのです。

そもそもガンの発症そのものが、ストレスや過労と栄養障害などによる免疫異常と強く関わりがあると考えるべきで、ガン家系のDNA,ウイルス感染、環境化学物質、喫煙、加齢などによるDNAの損傷など複合的な要因によるものと言えるものでしょう。

ガンの予防からガンの発生、発病後の治療に耐える生理機能、ガンの増殖、転移を遅らせ、ガンという鬼児を抱えながらも生きる力、可能ならばガンの消滅。

これらすべてに免疫、そのための栄養が関わっているのです。

(ここまでの私の主張は、抗がん剤を否定する意図のためにするものではないこともご理解ください。)

 

抗がん剤の新薬も次から次へと発売されます。1ヶ月100万円のものも稀ではありません。保険が効けば月7.8万円の自己負担ですみます。我々の払った健康保険料と税金から相互に助け合えば良いのです。経済界の主張する「混合診療の解禁」は高価な抗がん剤は保険でなく、自分で月数十万から数百万のお金を払えば使用出来ますよという主張です。

ほとんどの人は薬代が払えず、企業の健康保険料の支出が減らせて、お代はしっかり製薬会社(主にアメリカの)がいただく結果になるのだけのはなしです。 正確な表現ではありませんが、効果判定と承認の基準は腫瘍のある程度の縮小などラフな判断基準により承認され次から次ぎと抗がん剤の新薬が発売され、その期間も早くするようにというのが時流です。

細胞毒をもってガンを消滅させるような薬剤であり副作用も避けられない薬剤。5年後の生存率の効果判定すらどの程度取り入れられているのかわからないこと、まして長期生存率については?な薬剤であることも事実です。

 

重要なことはガンを発病しない健康管理、治療中であれば、治療に耐えられる体力、免疫力です。これは栄養次第なのです。

漢方薬にも免疫をささえる作用のあるもがたくさんあります。

高価なアガリクスでなくてもシイタケなどの日常のキノコ、菌類にはフッコース、マンノースなどガンの増殖、転移を抑制する多糖類が豊富です。あらゆる野菜や果物、海藻類、芋類、豆類などにも糖質栄養素、ガラクトサミン、キシロースとそのアセチル化した糖鎖の材料となる糖類が含まれます。

食事内容の見直し

 

糖質栄養素は免疫システムが機能するためにも重要な栄養素です。

和食のイメージですが、いまの食材の栄養低下や農薬、添加物が食事から充分な糖質栄養素を摂取する大きな障害となっています。

ガンの発生、増殖、転移を抑制し、免疫力、抗酸化力、組織再生、修復能力を得る。

 

これらは正常な糖鎖の材料(栄養)をいかにからだの隅々の細胞に充分供給するかにかかっています。そのための糖質栄養補助は自己防衛のためにもっとも重要なことです。自己の生命力を維持し、寿命を縮めず、生存する。

生まれ生きてゆくことが生きるものの務めなのですから。

そのために大切な食を何故もっと大事にしないのかと思う日々なのです。

ながの小児科