アトピー性皮膚炎で来院する患者さんはとても多いです。

喘息にしてもアトピーにしても実感としても統計上もあきらかに増加しています。遺伝的な要因、体質が背景にあると言われますが、遺伝子によって運命づけられているのであれば、アトピーの人が増加することとは矛盾します。遺伝的要因もない訳ではありませんが、妊娠中から出生後の環境因子の関わりが大きいと考えています。食品添加物は日本では技術的に最先端をゆく、食品添加物先進国ではないでしょうか。

 

最近の食品偽装事件や、賞味期限切れ製品の再利用、中国製品の食品や玩具の有害物質など、食と環境をめぐる”科学”の誤用、悪用は”自然”を大事にするという概念、考え方をあらためて問いなおすきっかけになってほしいと切に願う思いです。現代の日本の食品は工業製品化し過ぎています。何ヶ月も腐らない温泉饅頭を医者仲間で話題にしてから10年以上たちます。冷蔵や氷温で食品の栄養素を保ちながら食べられる期間が延びるのは良いとしても、惣菜のポテトサラダやサンドイッチなど大量の添加物で見た目もかわらず賞味期限が延長され傷まない。

確かにお腹は壊さないでしょうが、その引きかえに日々摂取するさまざまな添加物(=非自然)は人間のからだにどのような影響を与えているのかという 疑問と心配を持つべきだと考えます。食品以外にも大気や水などの環境からの化学物質、環境ホルモンの影響も実感もなく日々受けているのが、現代の人間を取りまく環境の現実です。

工業化された食品、飲料品、農産物を化学物質の手を加えない自然な食料、飲み物、農産物に転換・回帰することの重要性を生産者も消費者も社会も国家も真剣に考えなおすべき時期が来ていると考えます。

アトピー、アレルギー、さまざまな難病が栄養価の劣化し、さまざまな化学物質が添加された食と、適切な栄養バランスを欠いた食生活が大きな要因である可能性を考えなおす必要があります。

 

アトピーの話しにもどりますが、皮膚は内臓の鏡であるといいます。アレルギーなり化学物質、環境ホルモンなどの影響があったとして、いずれにしても人間のからだの内部の免疫や内分泌、抗酸化、解毒システムなどメカニズムの変調により皮膚に炎症があらわれている疾患です。

そのような病態(病気のメカニズム)にある病気にたいして、一見なおりが 早そうに思えるステロイドの外用治療でなおそうとすることが、アトピーそのものをなおす治療であるとは言えません。

食の根本的転換、栄養バランスの転換その他の対策が重要です。

最近かなりの重症のアトピーの方でも対処することが可能となって来ています。

是非、ご相談してください。

ながの小児科